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2009 年09 月17 日

新司法試験合格発表

私もこの4月から京都産業大学法科大学院の教授となったが、今年の合格者数はわずか1名で、全国のロースクールの中で最下位に位置づけられてしまった。合格率の悪いロースクールはつぶしてしまえという声も出ている。
 しかし、私の教えてきた学生の中でも、少なくとも2名は確実に合格するだろうと思っていたのが、二人とも不合格だった。しかし、彼らには答案も書いてもらい、授業中や授業後に議論をし、事務所で実際の事案に接して判例・学説を調査してもらい、起案してもらったが、十分に合格者=修習生としてやっていけるだけの能力は身につけていると実感していた。少なくとも前年度合格した学生と能力において劣っているとは思えなかった。それが不合格なのは、本人もそうだが、私自身、全く腑に落ちない。
 選挙で言えば、次点で落選しただけだから、来年こそはトップ当選だと言って励ましている。

 合格率の悪いロースクールはつぶしてしまえ、というのは、全く間違った議論だ。優秀校だけ残すというのは、企業で言ってみれば、大企業だけ残すという話であって、それは健全な企業社会の風土を生み出さない。地方の弱小ロースクールで営まれている学生の勉学の場を残し、それを育んでいくのが、社会的弱者の救済をめざす弁護士会のあり方ではないのか。合格者増反対の声に命を奪われようとしている(ちょっと大袈裟か)のが、本学の置かれた状況だ。

投稿者:ゆかわat 22 :18| ビジネス | コメント(1 )

◆この記事へのコメント:

◆コメント

本日はお越しくださりありがとうございました。楽しんでいただけましたか。
お土産までいただきましてありがとうございました。

ブログ拝見させていただきました。先生にそのようにおっしゃっていただけるのはとても心強いです。
先生に色々と経験させていただけることで、勉強に対するモチベーションやお仕事に対する興味がより一層湧いて参ります。
これからも日々勉強を積み重ね、「トップ当選」を果たし、先生のような弁護士になれるよう努力して参りたいと思いますので宜しくお願いします。

投稿者: ken : at 2009 /09 /17 23 :52

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